煎茶の道具その3

茶席飾の一例


 盆手前などに使われる大形のもの、煎盆といって、手前のとき、この上でお茶を入れたりするいわゆる手前盆、前述の三器盆、お運びに使われる盆など、用途によっていろいろの盆が使われます。大形のもので葉盆といわれ、芭蕉の葉を形どったものもあります。またお運びに使われる細長い盆を一文字盆と呼びます。
   
香炉
香盒
線香立
線香筒
 床飾り、書院飾りに香炉が使われます。香盒は’お香’を入れる器です。部屋を清めるために香をたくことがあります。線香立ては、線香を立てるためのもの、線香筒は線香の入れものです。線香筒も飾りに使われるわけです。
   
茶旗  煎茶席を設けるとき、目につきやすいところに掲げます。幅30cm余り、たて40cm余りで、清風とか通仙とかの雅味のある語を書いてあります。また手前座の横に小さな旗を飾ることもあります。
  
(ちょう)  室の出入口や、仕切りなどに使われます。ふすまや、障子にかわるものです。
   
茶櫃
(ちゃびつ)
 一般の家庭でも使われている茶びつのことで、この中に道具を収めておき、お手前が行われます。
  
文庫・茶箱  茶びつと同じように使われます。
   
提籃(ていらん)  竹などで編まれたかごで、茶具一式を入れて持ち運べるようになっており、野外の席などで使われます。
   
茶盤
茶具台
長板
 その上に道具を飾ったり、手前をする台ともなるものに、茶盤があります。茶具台は茶机台、四寸台とも呼ばれ、茶盤と同じく、その上でお手前をする台です。長板、箋などは、その上に道具飾りがされるものです。
  
器局
(ききょく)
 小型の茶だんすとでもいえるもので、この中に道具を収め、手前が行われます。煎茶の道具としては古くからあるものです。その形も、現在ではいろいろ工夫され、大きさも様々のものがあります。
  
 煎茶道で使われる棚の酒類は多いのですが大棚は幅30cm、長さ70〜80cm、小棚では30cm四方程のものが多いようです。煎茶の棚で最も多く使われるのが四方棚です。桐でつくられ、組立て式になっています。この棚は売茶翁の考案になるものとされています。

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